武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令(国民保護法)は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、武力攻撃が国民生活及び国民経済に与える影響を最小とするため、国、都道府県及び市町村の具体的な役割分担、指定公共機関の役割、国民の保護のための措置の実施体制等について定められています。
国民保護法のポイント
1.武力攻撃事態等において、国民の生命・身体及び財産の保護を図ることを目的としています。
2.武力攻撃事態等における国、地方公共団体、指定公共機関等の責務や役割分担を明確にし、国の方針の下で、国全体として万全の措置を講ずることができるようにしています。
3.住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置等について、その具体的な内容を定めています。
4.国民の保護のための措置を実施するに当たっては、国民の基本的人権の尊重に十分な配慮がなされます。
この法律は臨床工学技士などの医療従事者に関しても規定があります。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律
第八十五条
都道府県知事は、大規模な武力攻撃災害が発生した場合において、避難住民等に対する医療の提供を行うため必要があると認めるときは、医師、看護師その他の政令で定める医療関係者に対し、その場所及び期間その他の必要な事項を示して、医療を行うよう要請することができる。
2 前項の場合において、同項の医療関係者が正当な理由がないのに同項の規定による要請に応じないときは、都道府県知事は、避難住民等に対する医療を提供するため特に必要があると認めるときに限り、当該医療関係者に対し、医療を行うべきことを指示することができる。この場合においては、同項の事項を書面で示さなければならない。
3 都道府県知事は、前二項の規定により医療関係者に医療を行うよう要請し、又は医療を行うべきことを指示するときは、当該医療関係者の安全の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。
第百五十七条
何人も、武力攻撃事態等において、特殊信号(第一追加議定書(千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)をいう。以下この項及び次条第一項において同じ。)第八条(m)の特殊信号をいう。次項及び第三項において同じ。)又は身分証明書(第一追加議定書第十八条3の身分証明書をいう。次項及び第三項において同じ。)をみだりに使用してはならない。
2 指定行政機関の長又は都道府県知事は、武力攻撃事態等においては、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号。次項及び第四項において「赤十字標章法」という。)第一条及び前項の規定にかかわらず、指定行政機関の長にあっては避難住民等の救援の支援を行う当該指定行政機関の長が所管する医療機関又は当該指定行政機関の職員(その管轄する指定地方行政機関の職員を含む。次条第二項第一号において同じ。)である医療関係者(第八十五条第一項の政令で定める医療関係者をいう。以下この項及び次項において同じ。)に対し、都道府県知事にあってはその管理の下に避難住民等の救援を行う医療機関若しくは医療関係者又は当該避難住民等の救援に必要な援助について協力をする医療機関若しくは医療関係者に対し、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所若しくは車両、船舶、航空機等(次項及び次条において「場所等」という。)を識別させるため、赤十字標章等(白地に赤十字、赤新月又は赤のライオン及び太陽の標章をいう。次項及び第四項において同じ。)、特殊信号又は身分証明書を交付し、又は使用させることができる。
3 前項に規定する医療機関及び医療関係者以外の医療機関及び医療関係者は、武力攻撃事態等においては、赤十字標章法第一条及び第一項の規定にかかわらず、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所等を識別させるため、あらかじめ、医療機関である指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長の、医療機関である指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事の、その他の医療機関及び医療関係者にあっては当該者が医療を行う地域を管轄する都道府県知事の許可を受けて、赤十字標章等、特殊信号又は身分証明書を使用することができる。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令
(政令で定める医療関係者)
第十八条 法第八十五条第一項の政令で定める医療関係者は、次のとおりとする。
一 医師
二 歯科医師
三 薬剤師
四 保健師
五 助産師
六 看護師
七 准看護師
八 診療放射線技師
九 臨床検査技師
十 臨床工学技士
十一 救急救命士
十二 歯科衛生士
参考リンク
国民保護法の概要
国民保護法施行令について
政策フラッシュ 時の動き2004JULY
3月 5, 2005 — 9:04
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